Communication

グローバル化が進む今日、プライベートのみならず、ビジネスにおいても諸外国のビジネスパートナーと接する機会は多くなっています。また、海外留学や研究・赴任等で異国に数年間駐在する人、さらには国外移住の方も増えています。

そんな時に必要となる「異文化コミュニケーション」についてまとめてみました。

増加する傾向にある海外在住の日本人

外務省の海外在留邦人数調査統計平成29年版http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000260884.pdfによると、平成28年の時点で、西ヨーロッパに在住する邦人の数は、213,202人となっています。平成19年には174,713人でしたので、過去10年でかなり増えていることがわかります。また、国別にみると、平成28年に、ドイツ国内には44,027人の邦人が在住しており、これは欧州圏内では、英国の64,968人に次ぐ2番目に多い数字となっています。

このように増えつつある海外に在住する人、外国人と働く人にとって一番大切なのは、語学力(これももちろん大切ですが)よりも「異文化理解力」「異文化コミュニケーション力」だといわれています。それは、諸外国のビジネスパートナーとのメールのやりとりひとつをとっても、文化の違いが前提にあるからです。

日本ではまず「お世話になっております」などの書き出しで始まり、次にこちらの状況をできるだけ簡潔に伝え、それからようやく、「つきましては、さらに詳しい品揃えを確認させていただきたく、御社のカタログと価格表のご送付をお願いできますでしょうか。」などの本題に入ることが多いと思います。

また、本題の後にも、「どうぞよろしくお願いします」などの慣用句が欠かせません。

対して、ドイツのメールの書き方はもっとシンプルです。

相手への呼びかけのあと、いきなり「御社のカタログと価格表を送ってください」ということも少なくありませんし、日本語の一般的な「どうぞよろしく」にぴったり相対する表現もありません。

このようなスタイルの違いに慣れていないと、初めてドイツからのメールを読んだ日本人は、ちょっとぶしつけだと感じてしまうかもしれません。

そういった理由からも、「異文化理解」「異文化コミュニケーション」を学ぶことは、ビジネスの成功を考える上でも大事だといえるでしょう。

異文化コミュニケーションとは

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Pixabay_Gerd Altman

「異文化コミュニケーション」と聞いて、あなたは何を連想しますか?

外国人留学生との交流会でしょうか? それとも英語でビジネスパートナーと交渉することでしょうか?

「異文化コミュニケーション」とは、「文化的背景を異(=異文化)にする存在同士のコミュニケーション」ということで、性別、年齢、職業、出身地や社会的地位、価値観など、自分自身とは違った環境の方と、言語的あるいは非言語的なやり取りを行うことです。

もともとは、アメリカ内務省が1946年に創設された際に、アメリカ大使や外交官、大使館職員などの政府職員が訓練を受け、海外駐在の準備をしました。この外国での任務を遂行するための事前準備研修を開発・実施したのが、「異文化コミュニケーション」の始まりと言われています。

この研修プログラムの開発・実施担当をしたのが、アメリカ合衆国の人類学者エドワード・ホール(Edward T. Hall)という人で、このひとは後に異文化コミュニケーション分野の創設者といわれるようになりました。

彼が1959年に著した書籍『The Silent Language 沈黙のことば』で、ホール氏は、異文化に接する際に「どのようにしたら偏見や誤解なしに異文化を学び、現地の人々と協力的な関係を築けるのか」という実践的な課題を投げかけています。

その後、合衆国の高等教育のカリキュラムでは、「世界観」の視点の導入も始まりました。

さらには 1974年、国際進歩機関(IPO)は、ユネスコの支援を受け、セネガルのレオポルド・セダール・センゴール大統領の後援の下、「国の文化的自己理解」に関する国際会議をオーストリアのインスブルックで開催しました。

ここでは、国連加盟国に対し、「世界の異なる文化に関する体系的かつ世界的な比較研究を組織する」こと、および「国際文化協力の分野における外交官のより集中的な訓練のためにあらゆる努力をし、外交政策の文化的側面を発展させる」ことを呼びかけました。

いまでは、他国の文化を理解し、適切なコミュニケーションを取ることは、地球人として必須のスキルとなってきています。

異文化コミュニケーションのコツ

異文化コミュニケーションで大切なのは、相手の人との違いを理解し楽しむことです。

文化背景が異なると、行動パターンや考え方、習慣なども異なってきます。

また、時間に対する概念や対人距離の取り方、さらには直接的な表現を好むのか、非直接的な表現をするのか、など、様々な違いは例を上げていけばきりがありません。

今後も企業の海外進出や外国人社員の増加、また国外移住の増加などで、異文化コミュニケーションの能力はビジネスの場でも、またプライベートなシーンでも必須となりつつあります。

相手との違いを理解し、相手の立場に立って柔軟に考える姿勢が、これからの日本社会に求められていることを感じます。

グローバル人材に求められる6つのスキル

ここで、今後グローバル人材に求められる6つのスキル(能力)をみてみましょう。

語学力

グローバル人材と呼ばれるにはやはり語学力は欠かせません。

現実ではやはり基本的な英語ができるということがベストですが、英語圏以外の国では、その土地の現地語ができるというのも必要です。

特に欧州各国では、短期間の駐在である場合を除き、長期滞在者にはあるレベル以上の現地語学能力があることを求められますので、日々の学びは欠かせません。

コミュニケーション能力

異文化理解に欠かせないスキルが「コミュニケーション能力」です。

コミュニケーションの原義はラテン語のcommunicare「共有する”to share”」ことです。

つまり、自分の考えや感情を他人と共有することが目的なのですね。

世界中の企業が、従業員に求めるものの第一は、コミュニケーション能力(Effective Communication〔話し言葉や書き言葉による思考の表現と伝達〕だとしているのも、効率よく自分の考えを伝えるスキルが大切だからです。

また、いずれも努力で身につけることが可能である語学力と掛け合わせていけば、強みとなるでしょう。

柔軟な思考

ルールに従って物事を進めるのが得意であり、またそのようにトレーニングされてきている日本の人材にとっては難易度の高いスキルです。

海外で仕事をすると、日本では直面しないこと、日本の常識では考えられないことなど、さまざまな驚きや、理解に苦しむ場面、想定外の場面に遭遇することがありますが、このような場面に直面しても拒絶反応を起こしたり、嫌悪感を催したりせずに対応することが求められます。

異文化への対応力

上の、柔軟な思考とも重なりますが、自分の常識にとらわれることなく、異なる国籍、文化的・宗教的背景を持つ相手に対して、常に平等な視線と尊敬の念を持って対することが大事でしょう。

積極性

これも、「出る杭は打たれる」ということわざがある国の人にとっては難易度が高いスキルです。

柔軟な思考を持ちながらも、自分の意見ややる気を積極的に表現していくことが、特に西欧諸国では必要とされます。

特異性

みな横並びで、同じ価値観や同質性を求める日本企業や日本人は、多様な価値観を持つ人材を受け入れ評価することをあまりしてきませんでした。いわゆるゼネラリスト重視の傾向です。

日本では新入社員は社内でできるだけさまざまな経験を積ませようと、数年単位で部署を変わることも多いと思いますが、欧米では大学での専攻やインターン経験などを含めた専門性が重んじられ、雇用契約書とともに職務詳細(ジョブ・ディスクリプション)が採用時に明確に定められ、その職務範囲での仕事だけをする、という傾向が強いです。

自分が本当は何をしたいのか、何をすれば幸せになれるのかを、考え出すのに早すぎるということはないでしょう。

 

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